未婚のひとり親の所得控除創設と寡婦(寡夫)控除の見直し

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久しぶりの投稿です、、、。それではさっそく。

昨年の12月12日に、政府与党より令和2年度の税制改正大綱が発表されました。
実際には、今月の通常国会にて審議がスタートし、3月末に国会で承認され、4月1日に法律が施行されるというのが通常のスケジュールとなります。

税制改正大綱の中から、今回は、「未婚のひとり親の所得控除創設と寡婦(寡夫)控除の見直し」についてまとめてみました。

改正内容の比較表

通常であれば、内容をつらつらと記載するところですが、寡婦(寡夫)控除は文章にしても分かりにくいので、いきなり表を載せます。

文字が小さいと思われた方。スイマセン。
改正により変更されるところを、赤で記載しています。
また、カッコ書きの金額は、住民税での控除額です。

改正内容

正直、表を見ていただくだけでいいのかなと思いますが、一応文章にしときます。

1. 未婚のひとり親の所得控除創設
離婚や死別によるひとり親には「寡婦(寡夫)控除」という制度がありますが、未婚のひとり親に対してはその制度がなく、不公平との指摘がなされてきました。
そこで、未婚のひとり親に対しても、以下の要件をすべて満たせば、35万円の所得控除を受けることができるようになります。
 ① 生計を一にする子供がいる
 ② 合計所得金額が500万円以下
 ③ 住民票で事実婚であることが明記されていない

2. 寡婦(寡夫)控除の見直し
従来から存在する寡婦(寡夫)控除についても、女性と男性での不公平が指摘されていましたので、以下のような改正が行われます。
 ① 寡婦控除に「合計所得金額500万円以下」の要件を追加
 ② 住民票で事実婚であることが明記されていない
 ③ 生計を一にする子供がいる場合、寡婦(寡夫)控除額を「35万円」に増額

「特別の寡婦」って呼び名は無くなるんですね。

適用開始時期

何気に重要な適用開始時期です。

所得税については、令和2年分のから適用されます。
住民税については、令和3年度分から適用されます。前年所得に応じた課税のため仕方ありませんね。

最後に余談ですが、、、。

年末調整において、その処理を税理士事務所に依頼しているケースも多いかと思います。
私も昨年12月から本年1月にかけて、計300人弱の年末調整作業を行いましたが、今回のテーマである「寡婦(寡夫)控除」には毎年悩まされます。(私の説明不足のせいです。スイマセン。)

なぜかって、、、

扶養の情報を記載する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、通称「マル扶」で、配偶者は無し。そして「扶養親族」には、子供の記載がある。しかし、「寡婦(寡夫)控除」の、チェックはない。

、、、、。

これって、死別!?離婚!?だけど、チェックの付け忘れ!?
もしくは、未婚!?

改正前であれば、状況によって控除額が違うわけです。
そのため、デリカシーのない質問を投げかけないといけない。いい気分はしませんよね。

でも、今回の改正で、上記のようなケースは控除額が一緒のため、ちょっと気が楽になりますよね。年末調整の計算をされてる方であればわかってもらえるかな。

今日は、この辺で失礼します。