私事ですが、今年第2子が誕生しました。私の周りでも今年はベイビー誕生が多く、お祝いは相殺だなと勝手に思っている次第です。
子供が生まれると、税金が安くなると思っている方も多く、今回はそのあたりを。
(ちなみにこの記事のアイキャッチ画像は、わが子ではありませんので、あしからず。)
そもそも税金はどのように計算するの?
個人について課税される所得税と住民税のお話です。みなさんもご存知の通り、これらの税金は収入金額に対して課税されるのではなく、「課税所得金額」と呼ばれるものに対して課税されます。
「課税所得金額」=「収入金額」-「必要経費」-「所得控除」
「所得控除」とは社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除や配偶者控除、基礎控除などのことをいいます。
ちなみに会社員の方であれば、給与収入(額面)から「給与所得控除」というものが差し引かれますが、この「給与所得控除」は、上記の式でいうところの「必要経費」と考えてください。
そうして計算した「課税所得金額」に対して税率(*)をかけたものが、所得税と住民税となります。
*所得税は、「課税所得金額」に応じた税率となっており、住民税は一律10%(均等割は別途)です。
もちろん子供が生まれたら「扶養控除」が増えますよね?
結論から言います。増えません。
「これだけ子育て頑張っているのに~」「イクメンやってますよ~」
よくわかります。しかし、どんなに愛情もって育てていようとも、1人当り38万円(住民税は33万円)の「扶養控除」の金額は増えません。
これは、児童手当(こども手当)が創設された関係で、平成22年度の税制改正により、扶養親族のうち16歳未満の子供(「年少扶養親族」といいます。)は、所得税、住民税とも「扶養控除」の対象外となりました。高校生になるまでおあずけです。
年少扶養親族が与える影響
「でもでも、年末調整の時に16歳未満の子供の名前書いていますよ~」「あれって何のため?」
16歳未満の子供は「扶養控除」の対象外というのは、先ほどお話ししたとおりです。しかし、年少扶養親族は住民税の「非課税限度額」という制度で影響を与えます。
この制度はその名のとおり、「所得金額」が一定の範囲内であれば、住民税は0円にしますよ~という制度です。あくまで、ここでいう「所得金額」は、「収入金額」から「必要経費」を引いた金額を言います。言い換えると、「所得控除」前の金額ですね。
「非課税限度額」は自治体によって異なっています。以下は、福岡市の場合です。
非課税限度額 | 計算 | |
本人のみ | 35万円 | 35万円×1人 |
本人+配偶者 | 91万円 | 35万円×2人+21万円 |
本人+配偶者+扶養親族 | 126万円 | 35万円×3人+21万円 |
上記の表の「扶養親族」には「年少扶養親族」を含みます。そのために年末調整などの際には記載する必要があるんですね。
まとめ
何度も言いますが、「年少扶養親族」は、所得税及び住民税を計算する上での、「扶養控除」には該当しません。
しかし、住民税においては「非課税限度額」という制度があり、その限度額をする上での扶養親族の数には、「年少扶養親族」の数を含めるということです。
1点注意があるとすると、この「非課税限度額」というものは、そもそも住民税を課税するか否かの判定のためのものであって、住民税を計算するためのものではありません。「非課税限度額」を1万円超えたから住民税は千円(1万円×住民税率10%)だね~ということではないですよ。「非課税限度額」をちょっとでも超えてしまえば、「課税所得金額」は、最初の計算式の通りです。