紹介してほしい!されど、、、。

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開業してから2ヶ月が経ちまして、今月はやっと落ち着いて仕事ができそうな気がしております。7月、8月は何かとバタバタしてたな~。開業後すぐは営業の電話も多かったですね。転送をかけていたため全ての電話に対応したわけです。何社かは、どのようなビジネスモデルなのか興味がありましたので、実際にお会いして話を聞いてみることにしました。

税理士紹介会社

税理士紹介会社の基本的な仕組みは、個人や法人の方に税理士を紹介し、紹介を受けた税理士は、年間顧問料の50%~80%相当額を紹介会社に支払うというものです。税理士は営業に慣れていないので(一般的にですが)、開業してすぐの税理士で顧問先が少ない方には、大変重宝するものかと思います。紹介手数料が高いと言われますが、「売上」に直結する集客を外注しているわけですから、仕方のないことかと、、、。ただし、税理士がこの紹介会社を使った場合の問題点は、1社あたりの利益が減るため数をこなさなければならず、結果としてサービスの質の低下を招くことに繋がるということです。また、顧問料は毎月入金であるのに対し、紹介手数料は一括支払のため、開業当初の資金繰りを悪化させることにもなります。

私は、この紹介会社を利用していません。それができたのも、前職で担当していた顧問先の数件をそのまま引き継いでいるためで、今後もお願いしますと言ってくださった社長やそれを認めてくれた前職の代表には、感謝しかありません。

初めて知った税理士紹介会社

開業後、数週間経った頃、あるOA機器の会社から電話を受けました。「OA機器を販売している会社です。お客さんから税理士を紹介してほしいという要望が数多くあるので、提携いただける税理士を探しています。紹介会社ではないので、紹介手数料は一切頂きません。」というものです。気になりますよね~。

話を聞いてみると、税理士を紹介してほしいという事業者は、個人・法人を問わず、開業して間もないところや、現在の税理士の報酬に不満を持っているところが多く、月次顧問報酬の要望としては、平均10,000円~20,000円のようでした。開業後すぐの事業者は、相当の報酬を支払えないことが多く、税理士の中には開業支援パックと称して、初年度の顧問料を値引きしているところがありますので、金額としては妥当なところかなと。で、気になるのは、「ただで紹介してくれるなんてことありませんよね」ということ。話の最後の最後で、提携する上での前提条件を提示されました。それは、、、。

「当社指定のOA機器(複合機など)のリース契約を結んでいただきます。」

、、、「やっぱりね。」

仕組みはこうです。まずリース契約を結びます。総額216万円。これを72ヶ月(6年)間、月に換算すると毎月約29,800円をリース料として支払います。このままだと提携する税理士にとってメリットがないので、事業者を税理士に紹介し、入ってきた顧問料からそのリース料の支払に充てる、というものです。仮に事業者とのマッチングがうまくいかず、顧問料がリース料に満たない場合は、税理士の損失となるため、その部分はOA機器の会社が補償するそうです。

もうお分かりだと思いますが、メインは税理士の紹介業務ではなく、OA機器の販売にあります。OA機器の販売数を増やすために、顧問先の少ない税理士が、言い方は悪いですが利用されているに過ぎません。もちろん、指定されたOA機器をもともと導入したかった税理士ならメリットもあるかと思いますが、そうでなければ、この制度を利用する必要は全くありませんよね。それに税理士報酬の単価も全体の平均より低いですし。

結局のところ自分で何とかするしかない

社長などと話をしていると、必ず人材紹介会社の手数料の話が出てきます。従業員を紹介する代わりに年収の約30%を手数料として紹介会社に支払うというものです。税理士の顧問契約であれば、1年足らずで契約解除されることは私の経験上ありませんが、従業員の場合は、1年経たないうちに辞めてしまうこともあります。短期でやめた場合の手数料返金制度もありますが、ほとんどは入社から数ヶ月程度での退職の場合です。中小企業は極めて人材不足ですから、ハローワークに求人票を出しても、連絡すらないことも多く、結果的に人材紹介会社に頼らざるを得ない状況です。

退職者が出たことによる人員補充という、現状維持のためであっても、手数料という費用負担が発生することで、確実に利益は圧縮されます。これまでの「待ち」の姿勢では、本当の意味での現状維持は不可能です。税理士の紹介会社の件も、その場しのぎとしては、有効かもしれませんが、それだけに頼っていると、やはり事業としては成り立たないかと思います。結局のところ自分で何とかするしかないのです。